生きる意味
この世に「生」を授かった者の最大の責務、いや、使命とは「子孫繁栄」です。動物、人間、植物が生まれる前から遺伝子にインプットされている「命を繋ぐ」ミッション。言葉にすると陳腐に感じてしまうのは本物の覚悟を見た後だからでしょう。
まずはこちらの写真をご覧ください。
息絶えたシロザケ。このような姿を普段ぼくらは見慣れていますよね。スーパーの鮮魚コーナーや食卓での焼き魚。けど、この写真を撮影した現場は川です。川べりから見える範囲だけでも10匹確認できました。では一体サケたちはなぜ死んでしまったのか。
それは「命を繋ぐ」お役目を終えたからです。
シロザケの一生
河川で産まれて、外洋で成長し、産卵のために再び故郷の河川に遡上(※そじょう。流れをさかのぼっていくこと。)し戻って来るシロザケ。こういったサケの生態は広く知られていますが詳しい実態はあまり知られていないのが実情です。
卵から孵ったサケは直ちに降海し海水生活に移行するタイプと、1~2年淡水生活を送った後に降海するものの2種類います。シロザケやカラフトマスは前者で、サクラマスやベニザケは後者です。サケの海洋生活期間は1〜8年。種類により大幅に異なりますが、ぼくが見たシロザケは安藤さんのガイドによるとおよそ4年で故郷に戻ってくるとのことです。
外洋で充分に成熟したサケが産卵のために生まれ故郷の河川に帰ってくる事を「母川回帰」(ぼせんかいき)と言います。鶴居村の河川に戻ってくるシロザケは海から湿原の中を経由して生まれ故郷の河川まで約50kmもの距離を旅して戻って来ます。そんな距離を、しかも河の流れに逆らって遡上するなんて信じられない!(しかしアラスカのサーモンは3,000kmも遡上するらしい!)
繋ぐということ
体中に傷を負ったシロザケが目の前をいったりきたりしています。時折激しく泳ぎバシャバシャ水しぶきをあげるのは産卵する場所を作るため。産卵場は水深30cmくらいの浅瀬で砂利底から地下水が湧きでているところを選ぶそうです。1時間くらいかけて直径1m、深さ50cmほどの産卵場所を、体を横向きにして尾びれを上下させ砂利を掘って作ります。そしてそこにメスが産卵し、オスが放精する。産卵を終えたメスは尾びれを用いてまた砂利を巻き上げ卵の上へかぶせます。その後は痛々しい体になりながらも後からやってきて産卵しようとするメスから産卵床を守りながら1週間ほどその場所にとどまりますが、やがて力尽きて死んでしまいます。シロザケが痛々しい姿をしているのは産卵と、産卵後に我が子を守るためだったのですね。
目の前で一匹のメスが力尽きて流されていく姿を見ました。自らを犠牲にしても守るべきものがある。自然から学ぶことは無限にあります。
自然界から学ばせてもらうことは、あまりにも多い。
ジュリー
こちらに帰って来る時は、連絡下さい。君と呑みたくなった!
そちらで頑張って下さい。
更新するのを楽しみに待ちます。
KENTA
ジュリーさん!見ていただいてありがとうございます!春頃に一度帰省予定です!また皆で会いましょうね!