The Northern Spirits

北に未来あり

カテゴリー: 屋久島(Yaku-island)

アペルイ 〜火が灯る〜

再会。

屋久島の友人である田中 俊蔵さんが鶴居村へ来てくれました。安藤さんのガイドを受けるためと、僕に会うために。。。涙

彼と知り合ったのは昨年の秋、屋久島を旅したときのこと。三年前から僕は俊蔵さんのブログを読んでいて、一方的に彼のことを知っていました。彼の撮影する写真や、自然に寄り添うライフスタイルに興味を持って、たまにブログを読んでいたのです。

そして2014秋、彼に会うために屋久島へ行くことを決意。屋久島へ到着して間もなくご縁を繋いで頂き、俊蔵さんと会うことができました。田中家の新築の家(屋久島の廃材を利用して建てられた素敵なお家)に招待して頂き、近所のガイド仲間を集めてくれて料理とお酒でもてなして下さいました。

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〜田中家の愛息子たち〜

田中家の一員に

そのお酒の席でのこと。「どこの宿に泊まってんの?お金かかるでしょ。明日からうちに泊まりなよ!」という俊蔵さんの言葉にすっかり甘えさせてもらい、その翌日から一週間、居候させてもらう事に。(笑)農作業のお手伝い等をしながら、毎晩屋久島の地酒を飲んでは語り、ときには焚き火をして素敵な時間を共有しました。

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〜俊蔵さんと長男。たき火の前で。〜

その後ぼくは屋久島から北海道に戻り、ひとりの男と出会う。それがMakoto Ando氏。ガイドという職業を良いな~と思わせてくれたのが田中俊蔵氏だとしたら、そこへ導いてくれたのが安藤誠氏。

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〜安藤氏。特別保護区にて。〜

時は流れ、2015年の春。アメリカのネイチャー写真のコンテスト【ネイチャーズベストフォトグラフィージャパン】で安藤さん、俊蔵さんの両氏が受賞された事にはとても驚きました。だって同じ写真集に二人の写真が収まってるんだもの!

特別保護区を体験

そんなお二人が湿原に並んでいる姿を見て胸がいっぱいになりました。お二人には感謝してもしきれません。恩人です。ちなみに俊蔵さんは屋久島のガイド、屋号は【アペルイ】。アイヌ語で【火が灯る】。彼と北海道で再会できたことを幸せに思います。屋久島の風を届けに来てくれて本当にありがとう。

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〜左/俊蔵氏、右/安藤氏。湿原の聖地にて〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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昨年の秋、屋久島の自宅敷地内にて焚き火で鍋を作る俊蔵氏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

御嶽山噴火から1年

1年前の今日、つまり2014年9月27日。御嶽山が噴火し、死者と行方不明者合わせて63名の大惨事となった。そのとき僕は屋久島の山の中にいた。

荒川登山口から山へ入り、縄文杉~高塚小屋~永田岳と歩き、山へ入って三日目のことだ。その日、僕は永田岳の山頂で日の出を見ようとしたけど、残念ながらあたりは霧に包まれていて朝日を拝むことは出来なかった。霧は間もなく霧雨、雨へと姿を変えて、だんだん風も強くなってきた。

宮之浦岳へと続く稜線歩きでは、まだ霧状態だった雨に油断をしてレインウェアを着ていなかったため、身につけていた衣服も体もずぶ濡れになっていた。体も冷えてきたし、この日のうちに下山をしてしまおうかと思ったけれど、雨の屋久島でゆっくり過ごすのも悪くないと思い
もう一泊する事にした。食料は充分あるし何より水に困らない屋久島だ。飲み水はそこら中で手に入る。この旅で4度目の宮之浦岳山頂を踏み、花之江河(はなのえごう)という湿地帯を経て、石塚小屋を目指した。

石塚小屋は石のブロックで作られた簡素な山小屋だ。

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DSC_0767 小屋の内部。

まだ午前中ということもあり、先客は無し。小屋の中へ入り、濡れた衣服を干した。乾いた衣服に着替えてダウンジャケットにくるまり、冷えた体を温める。

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山に持って来た本はこの2冊。この日は村上春樹を選んだ。読書をはじめて1時間ぐらい経った頃、2組の登山客が小屋にやってきた。挨拶を交わして読書に没頭する。

そして。「御嶽山が噴火した!」小屋の中でラジオを聞いていた一人が叫んだ。噴火?どのくらいの規模で?被害は?背筋が凍りついた。2013年の夏、僕は御嶽山に登っていたのだ。ラジオから流れてくる情報によると、相当大きな噴火だったらしい。土曜日だし、登山客も多いだろう。御嶽山にたくさんいるであろう、同じ山好きな人たちの無事を願った。

翌日ぼくは下山した。ヤクスギランドへと続く花之江河登山道はあまり人が入らないため、道がかなり荒れている。踏み跡が少ない上に前日までの雨で沢も増水して、少し怖い思いをした。

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「大和杉」

途中に出会った巨木「大和杉」の前で過ごした穏やかな時間は忘れることができない。

ヤクスギランドまで降りてきたらゴールはすぐそこ。無事に下山できたので仏陀杉にお礼を伝えて、三泊四日の山行を終えた。

自然相手のアクティビティ(活動、行動、遊び)には危険はつきもの。緊急事態にこそ、お客様の安全を第一に行動するアウトドアガイドの真価が問われる。そのとき自分は正しい判断ができるだろうか。人の命を預かるアウトドアガイドという仕事。生半可な気持ちでは通用しない。良い意味で慣れることなく、臆病さを持ち続けたいと思う。

御嶽山で亡くなられた63人の山を愛した人々の御冥福を心より祈ります。

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宮之浦岳の山頂直下より、永田岳を望む。屋久島ガイド 笹川健一氏(屋久島ガイド・島結)撮影。

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